人工透析人工透析人工透析

人工透析

腎臓内科

透析医療の黎明期である1976年から透析医療に携わってまいりました。この間の透析医療の進歩は目を見張るものがあります。透析液は逆浸透装置で作成した純水に透析液原液(あるいは粉末)を加えて作成し、さらに透析液中エンドトキシンを測定感度以下に管理するようになりました。透析器(ダイアライザ)は、分子サイズの異なる物質を適切に透析除去するために多様な透析膜が利用できるようになりました。 薬剤では、活性型ビタミンD3製剤、リン吸着薬、エリスロポエチン製剤、Ca受容体作動薬などが開発され、治療は大きく変わりました。 これらが相まって循環器系(心臓、血管)疾患、骨・関節疾患の治療が大きく変化しています。 当クリニックでは、皆様一人一人の病気の違いを理解して、一人一人の治療に医学の成果を反映させてまいります。

当院の機材と管理:
東レ社製の全自動透析システムを導入しました。透析前後の体重、透析中血圧は自動測定して透析管理システムに送られ、プログラムに従った適切な透析と除水が行われます。透析の準備と終了は自動プライミング、自動返血により行います。透析液回路は、熱水消毒、薬液消毒により清潔を保ち、透析液中のエンドトキシンを測定感度以下に保ちます。治療に使用する薬品は、工場で注射器に滅菌充填されたものを使用し、作業に伴う感染リスクを減少させました。

心臓・循環系管理の方針:
血圧管理:すべての種類の降圧薬を利用して、夜間高血圧、血圧日内変動を抑制しつつ、心保護、血管保護めざした降圧治療を行います。目標値は正常血圧(収縮期血圧<130、拡張期血圧<85)です。

体液量管理:
浮腫の有無、血圧値、心胸郭比、大静脈径、ヒト心房性Na利尿ホルモン値(HANP)などを参考に、適正な透析後体重(ドライウエイト)を維持します。透析後体重の検討は毎週行います。
体液量管理、貧血管理、血圧管理を適切に行うと、心循環系の状態は大きく改善し、心肥大の正常化、心機能の改善、運動機能の改善が得られて、生活の質が向上します。

貧血管理の方針:
貧血改善を阻害する因子(炎症、鉄欠乏、銅欠乏、ACEI投与、他)を除去してから貧血治療を行います。血清フェリチン値100ng/mLを目標に、飲み薬を主に鉄補充を行います。さらに造血刺激ホルモン薬を投与して、末梢血Hb値を10 g/dL以上、12 g/dL未満に管理します。

カルシウム、リン、骨関節疾患治療の方針:
全身の種々の細胞が活性型ビタミンDを必要としているので、少量の活性型ビタミンDを毎日服用して頂きます。次に、リン吸着薬で血清P値を正常化させます。必要に応じてカルシウム補給を行いますが、必要十分量を投与し、かつ過剰にならないように致します。 管理目標は、血清リン値、血清カルシウム値の正常化、副甲状腺ホルモン値は正常範囲から100pg/mL程度までとします。 既に血中の副甲状腺ホルモン値が高値の人には、カルシウム受容体作動薬(レグパラ)を服用して頂いた上で、食品中のリン含有量を調査してリン摂取量を減少させ、血清リン値の正常化と血清カルシウム値の正常範囲内低値を得て、カルシウム・リン積を下げます。これにより血管石灰化を改善させます。

透析開始時間

午前透析 午前8:30〜9:00 / 準夜透析 午後5:00〜6:00

透析の時間帯等、詳細については、お問い合わせください。

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